長谷川仁 HASEGAWA,Jin

自然に聴くアート展

ヒカリエ/8

身の回りの自然に目を向け、耳をそば立ててみるといろんな発見があります。生物の生き残るための知恵や小さな微生物の働き、絶妙なバランスで保たれている生態系、、、これまで当たり前に思っていた事が実は奇跡的な成り立ちで起こっていることが解ります。人間も生物の一種、自然の一部であることを意識しながら日々の生活と向き合いたい。そんな思いで作品を作りました。皆さんにとって自然からの「気づき」に繋がる事ができれば幸いです。

「プランクトンエアー360°」
地球上の酸素の半分を作り出している植物性プランクトン。普段は意識することのない彼らの存在を讃える参加型の作品です。ヒカリエ直下の渋谷川からプランクトンを採集し、顕微鏡で見てみます。横の工作コーナーでは参加者が簡単な作業で(プラ板を切り取る、マジックで色塗るなど)自分の想像したオリジナルのプランクトンを作ることができます。ある程度数が溜まったら作家がターンテーブルに加えていきます。空気中にプランクトン等が漂っているような世界を作り出します。

「テリトリー」
生き物のテリトリーを示す床パターンを描きます。そこに狼のオブジェと小さな生き物フィギュア(販売も行う)を配置します。違う種族の間にはやはり犯してはいけないそれぞれのテリトリーがあるんだと思います。お互いにどこかで線引きし、例え捕食の関係であっても付かず離れずバランスを取りながらそれぞれの生活圏で生きています。人間も見習う所があるのではないでしょうか?

「東京パズル」
東京に住んでいる生き物のシルエットで組まれたパズルをガラス面に描きます(ただし、人間の部分だけブランクになってる)。扉には人形に穴が空いたパネルを設置し、お客さんが通る瞬間ラストピースである人間がハマり完成するパズルです。いろんな生き物が綿密に関わり合いながらバランスを保っている生態系の中で、ヒトだけはみ出していないか?と問いかけるパズルです。(動物たちの目玉は通り過ぎる人間の方に向けられていて、無垢な目で観察しています)

「アート農業」
原発事故のあった福島県飯舘村で、食糧でない農業の可能性を探っています。 住民が得意な農作業を通じて未来にながる作品作りを村人と共に実践しています。

「ひょうたんボトル」
ひょうたんの実がまだ小さな時にキャップの型を付けて育てました。ペットボトルのキャップが使えるひょうたんボトルです。飯舘村の田んぼの風景を描きました。

「おもちゃの実」
観賞用のカボチャにクマやロボットの型を被せて育てます。ハロウィンの時におもちゃの形に育ったカボチャを収穫する「おもちゃ狩り」を行います。