長谷川仁 HASEGAWA,Jin

指先みたいなもの

Luohang Art Hill 2025

地球上のすべての生き物は、互いに吸収し合い、分解されながら、絶えず循環しています。

私たちは毎日、他の命を食べ、消化し、排出し、やがて死を迎えると、身体をつくっていた物質は地表に還されます。 それを微生物や植物が取り込み、新たな命へと姿を変えていくのです。

人間を含むあらゆる生き物は、たった36種類の元素で構成されています。 違って見えるのは、その組み合わせと形だけ。 つまり、すべての生命は地球の一部であり、地球そのものの表れにほかなりません。

一見すると、他者は自分とは異なる、切り離された存在のように感じられるかもしれません。 けれど実際には、まるで自分の指先のように、深くつながり合っているのです。

この作品に描かれた36色の小さなドットは、水素、酸素、炭素、窒素など── 生命をかたちづくる36種類の元素を表しています。

それらはある時は人に、ある時は鳥に、木に、あるいは目に見えない塵となって、大地にとどまります。

作品は、提灯のようにやわらかく折りたたまれたり、静かに伸び上がったりします。 たたまれた姿は「死」を、広がった姿は「生」を象徴しています。

鑑賞者はウインチを回すことで、この繰り返される「生と死のつながり」に、そっと触れることができるのです。