2003
JR Tower Art Competition
北海道の自然を象徴する野生動物達は人間社会との狭間の中で様々な問題に直面している。人間から餌を貰う事を覚えたキタキツネは自ら餌を狩る事が出来なくなり、人間から与えられたお菓子などが原因で死にいたる事もある。餌を探しに街まで降りてきた動物達の交通事故や農作物の被害なども人間が動物達の住居を狭めている事に起因する。また、人間の身勝手による帰化動物の問題や生息環境の悪化により個体数が減少し、絶滅の危機に瀕している種もあるわれわれ人間は身勝手な都合によって様々な問題を引き起こし、野生動物を苦しめている。 このプランはそれらの問題に人々が気付き、ひとり一人が直接解決してゆく事を目的としている。 野生動物の形をした募金ケースをレリーフとして壁に取り付ける。人々が募金したコインはカラコロと音をたてながら落ちてゆき動物に色をつける一つのドットとなります。全身に色がついたら、野生動物の保護や共存のために活動している団体に寄付される仕組み。募金という形ではあるけれども、参加する事でまずは感心を持ち、野生動物に対する接し方を自覚してゆく。この事は一部の人だけでなく、全ての人々が理解しておかなければならない。 北海道の玄関口となるJR札幌駅にあって、道内の人はもとより道外の人々にも広く訴える事ができ、設置場所が商業施設にあるという事も人々が参加しやすくなっている。 レッドデータブックをもとに北海道の野生動物を調査したところ、すでにエゾオオカミは絶滅、その他にも絶滅の危機にさらされている動物が多く存在していました。その中からエゾヒグマ、シマフクロウ、ゼニガタアザラシ、エゾオオカミの4種類を作品として、札幌 JR Tower 東モール6Fに設置しました。募金は月平均約6万円のペースで集まっており、北海道新聞野生生物基金などに寄付されています。